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音楽留学の参考情報と英会話(英語)のアドバイス(米国/カリフォルニア大学)


この記事では、米国のカリフォルニア大学で音楽を専攻し、その後プロの音楽家として活躍したアデュールの英会話講師が、これから音楽留学、海外で音楽を勉強する事を目指している方向けに、音楽留学の参考情報と、英会話(英語)の様々なアドバイスをご紹介します。

イギリスやヨーロッパへの音大留学を目指されている方は、別記事「音大留学に必要な英会話(英語)とアドバイス(英国)」も是非ご参考になさって下さい。
また、別の講師によるアメリカでの音楽留学アドバイス記事「音大留学と音大での英会話(英語)のアドバイス(米国/NEC,BU)」も是非ご参考になさって下さい。

1. 私の経歴

私はアメリカ、カリフォルニア大学で、音楽を専攻し、大学と大学院で学位を取りました。
その後、アメリカでプロのヴァイオリン奏者として長く演奏の仕事を続けました。

ここでは、音楽留学、海外で音楽を勉強する事を目指している方向けに、留学先で想定される英語や、留学先の学生生活をイメージしていただけるような参考情報をご紹介したいと思います。

2. 総合大学芸術学部 vs 音楽院

音楽を専攻したい場合には、大学音楽院という選択肢があると思います。
大学は一般教養科目にはじまり、音楽専攻必須クラスにおいても、机上での勉強もかなり重要視され、音楽を専門的に学び、学問として研究する、というスタンスが強いように感じます。一方、音楽院では、演奏することにより焦点を当てている印象です。

どちらが良いというのは、一概には言えませんが、私は師事する先生を入学前から知り、この先生に師事したいという気持ちで、先生がいらっしゃる大学に入学しましたが、研究リサーチ力をつけることもできたので、大学で学ぶことができ、とてもよかったと思っています。

入学決定後、ある時期になると、授業を受ける準備をはじめます。
Academic Counselor (履修や学生生活のアドバイスをしてくれる相談員) の助言を頼りに、学部のRequirement(学位取得に必須なこと)に従い、Class Scheduleを確認しながら、学期ごとに受講する授業を決め、Register(登録)します。

3. 学期

私が学んだ大学は、4学期制度(Quarter System)でしたが、2学期制度(Semester System)もよく耳にしました。学期は夏が終わったあと、8月、もしくは9月から始まります。

4学期制の場合は、Fall Quarter(秋学期)Winter Quarter(冬学期) Spring Quarter(春学期)Summer Session(サマーセッション)、2学期制の場合は、Fall Semester(秋学期)Spring Semester(春学期)となります。どちらにおいても基本的に夏はお休みなので、サマーセッションは授業を取らずに休暇を楽しむ人が多いですが、一部一般教養科目の履修クラスを受講していた人もいました。

英語メモ:Quarter

Quarterという言葉は英語でとてもよく使われます。
4分の1という意味ですが、上記に示したとおり、1年を4つに分けたうちの1つの学期をQuarterといいますし、アメリカの貨幣、コインのひとつにはQuarterというコインがあります。Quaterは25セント、つまり、1ドルの4分の1の価値をもつコインのことを指します。また、音楽家にとても馴染みのある四分音符もQuarter noteといいます。音楽家の方々ならご存知のとおり、全音符をwhole(全体)としたうちの4分の1の長さの音という意味です。
このように、英語を勉強する際にも、言葉の概念を理解するとたくさんの表現を早く自分のものにすることができますね。

4. 教養過程必須科目

最初の2年は教養科目も勉強しなければならなかったので、かなり大変でした。
カリフォルニア大学での教養科目のレベルが、先生にもよるとは思いますが、非常に高い!
その上で、専攻した楽器の練習もし、Orchestra(オーケストラ)も、室内楽(Chamber Music)も、となると、やはり睡眠時間を削らざるを得ませんでした。私と一緒に入ってきた学生たちのうち、アメリカ人ですら数名は1年でMusic Major(音楽専攻)を辞め(Drop out)別の専攻に変更してしまいました。

私:What happened to Esther? I haven’t seen her lately. 
(エスターはどうしたの? 最近見かけないんだけど。)
友人:Actually, she dropped out and switched to another major.
(実は彼女は(学部を)辞めて、別の専攻に変更したのよ。)

というような会話を交わしたのを覚えています。

英語メモ:Major

上記のとおり、Major という言葉は、専攻するという意味がありますが、音楽家にとてもなじみのある長音階のことをMajor Scaleといいます。ちなみに短音階のことは minor scale といいます。

A: What is your major?
(専攻は何?)
B: I’m a music major, specifically, violin.
(音楽専攻。具体的には、ヴァイオリン専攻なんだ。)

Play two 3-octave major scales of your choice.
(自分で選択した3オクターブの長調の音階を2つ弾いてください。)
Play 4 octave minor scale by memory.
(4オクターブの単調音階を暗譜で弾いてください。)

5. 音楽学部の専門科目

音楽を専攻する私たちが履修するクラスのなかには以下のようなものがありました。

音楽理論 Music Theory
西洋音楽史 History of Western Music
室内楽コーチング Chamber Coaching
音楽専攻の人たちのためのピアノ Piano for Majors
音楽とジェンダー Music and Gender
音楽とコンピュータ Music and Computers
大学コーラス University Chorus
オーケストラ University Orchestra
作曲 Composition

クラスの名前として、大学コーラス(University Chorus)とありますが、私がアメリカに住んでいる間にはChoirという言葉しか耳にしませんでした。また、声楽のことをVoiceというのも、私には新しい表現でした。

英語メモ:私の発音においての失敗談

室内楽のことを英語で Chamber music といいますが、そのなかのひとつの演奏形態として、弦楽四重奏 String Quartet があります。学生のときに、この String Quartet を割り当てられ、勉強する機会がありましたが、その際、Quartetという言葉の私の発音を、友人に指摘されたことがあります。日本語ではカルテットというため、私は当時日本語読みに近く【ka:rtét】カー(ル)テットのような発音をしていたため、指摘されたのです。なんとなく恥ずかしくなり、その後は【kwɔːrtét】クゥオー(ル)というように気をつけました。
発音もできるだけ正しくするように努めないと、ときに伝わりづらいこともでてきます。

6. クラスの雰囲気

机上の勉強のクラスの雰囲気は割りにカジュアルでした。
カリフォルニアは気候がとてもよいので、Tシャツにビーチサンダル(Flip-flap) という格好の生徒もよくみかけました。授業に遅れてくるときに、あまり、申し訳ない。。。という様子をみせることなく室内に入ってくる生徒をみて、最初は目が飛び出るほど、驚きました(笑)。でも、授業への姿勢はみなさん真剣で、教授陣も容赦なく高い要求をし、なかには、大変な課題(Assignment)を毎週だす教授もいて、英語でそれをこなしていくことは、本当に大変でした。

7. レッスン

レッスンも、日本の先生方に比べると、とても温かでオープンな雰囲気なのではないかと想像します。私の先生はいつも What’s new? と聞かれることが多かったのですが、日本人はある意味、このような状況においての small talk が苦手だと思いますので、ある程度練習を重ねて慣れる必要がありますね。

What’s new?
(最近はどうですか・近況は?)
Well, nothing much.
(ええっと、特に変わったことはありません。)
I was busy with orchestra rehearsals.
(オーケストラのリハーサルで忙しかったです。)
I was studying hard for the assignment for the (music) history class.
(音楽史の課題に一生懸命取り組んでいました。)
I had more time to practice.
(いつもより練習の時間がとれました。)
I got a job to play at a church.
(教会で演奏する仕事をもらいました。)
I’m fine now, but I was not feeling well for a few days after the last lesson.
(今はもう大丈夫なのですが、この間のレッスンの後、2-3日体調が悪かったんです。)
How about you?
(先生はいかがですか?)

など、なんらかの返答をして、small talk を終えてから、レッスンが始まる流れでした。

8. 卒業時の学業成績の称号

大学4年間、かなりがんばり、卒業時には、Magna Cum Laudeという称号をいただきました。私の場合、音楽史の授業で、ひとつAマイナスになってしまい、すべてがAをとれなかったのです。すべてAをとれていたら、Summa Cum Laudeでした。
称号をいただけるのは、一般的に以下のようなGPA(Grade Point Average 成績平均値)を取得した場合です。

Summa Cum Laude  GPA 3.9-4.0
Magna Cum Laude GPA 3.7-3.8
Cum Laude GPA 3.5-3.6

9. 卒業後

私は師事した先生が本当にすばらしく、尊敬できる方でしたので、そのまま大学院(Graduate School / Grad School)に進み、同じ先生ともう2年、勉強を続けました。
私は他の学生さんたちよりも年齢が上でしたので、速く前進しなければ、という気負いがいつもありましたが、大学院では、私よりももっと年齢が上の方とご一緒することになり、アメリカのDiversityやオープンな環境に非常に共感を覚えました。

音楽は終わりのない研究、研鑽が必要な世界なので、私のように大学院に進む方は多いです。私と同じ時期に大学で勉強をしていた学生の多くも、大学卒業後、他大学や音楽院(Conservatory)で学位(degree) や graduate certificate, diplomas を取得したり、中学、高校などで音楽教育に携わるために、他大学院で音楽教育を学び資格をとる人もいました。また、オーケストラの運営(Administration)に関わる仕事に就いた人もいました。

私自身は大学以前より先生の薦めでアメリカの音楽教室で教え始めました。その後、大学院を終えてすぐにプロのオーケストラの regular substitute member として、ヨーロッパツアーに参加する機会も与えられ、約13年ほど、オーケストラのヴァイオリン奏者として演奏の仕事を続けました。ヴァイオリン・ピアノデュオとして毎年リサイタルを行い、自分の演奏研究も約10年間続けることができたのも幸いでした。教えることも大好きでしたので、オーケストラのお仕事で忙しすぎる時期を除いては、教える仕事ももうかなり長く続けて、いろいろな背景をもち、さまざまな年齢層の生徒さんたちと関わり、喜んでいただいています。

私のヴァイオリンの生徒たちはとても優秀で、Yale, UC Berkeley, Carnegie Melon, Stanford, Princeton, Boston Collegeなどに合格し、音楽とは別の専門の道を歩んでいますが、彼らの高校卒業後も、ときどきメールのやり取りをしたり、オンラインでヴァイオリンのレッスンを受けてくれたりと、とてもすばらしく、誇りに思える関係を築いています。

英語を学ぶことで、世界が確実に広がります。私がアメリカでたくさんの方々に応援されながら、ヴァイオリンを学び、仕事ができた背景を活かして、今度は、私がみなさまの応援をしたいと心より思っております。


いかがでしたでしょうか?

音楽留学を検討されている方には、参考になる情報も多かったと思います。
冒頭でもご紹介しましたが、以下、英国への音大留学を目指されている方向けの記事、別の講師によるアメリカでの音楽留学アドバイス記事(ニューイングランド音楽院,ボストン大学)も是非ご参考になさって下さい。

アデュールでは、実際に音大留学を目指して英会話レッスンを受講されている生徒様もいらっしゃいます。

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